日本一の弁護士を目指す法律系ブログ

法律や昨今の弁護士事情について勝手気ままに書き綴る弁護士を目指す男のブログだと思う。

相続は争族〜最終的には小学生の兄弟喧嘩のようなケースも

ある日突然、自分の親族が亡くなることは、誰にでも起こりえます。

 

人が亡くなれば、お通夜、お葬式、親しい人への挨拶、役所への届出など、多くの儀式や手続きなどが必要となります。それらの儀式や手続きのほとんどは、段取りを踏んでいけば、大変かもしれませんがやり終えることができます。しかしながら、相続に絡む財産問題については、一筋縄でいかない場合も少なくありません。

 

民法は、「相続は、死亡によって開始する。」と定めた上で、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。」とも定めています。
それは、人の死亡という出来事によって当然に相続が開始し、相続人となる者がその事実を知っていようがいまいが、相続が開始した瞬間に、死亡した人の財産を手に入れてしまうことを意味します。

 

「うちの家族は仲がいいから大丈夫だ。」などと楽観的に考えておられる方もいるでしょう。


しかし、現実は、「相続」は「争族」と言って皮肉られるほど、相続をきっかけにして家族間での紛争が始まることは少なくありません。家族で相手をよく知る者同士だからこそ、赤の他人同士よりも、より紛争がエスカレートするのかもしれません。

 

実際に私が関わったケースでは、最初は相続する金額の大小で争っていたのが、途中から「兄貴は高校入学のお祝いで時計を貰ったじゃないか?俺は何も貰えなかったのに。」、「いや、お前は、自転車を貰っただろう。」といった具合に、小学生の兄弟喧嘩のような言い争いになり、財産のことはそっちのけで言い合いをしていたといったものがありました。

 

相続問題を抱えた方と話していて私が感じるのは、兄弟姉妹を持つ多くの方が「自分よりも他の兄弟姉妹の方が親から良くしてもらっていた」という思いを抱かれているということです。そういった思いも、相続というものをより複雑にしているように思います。実際に相続を経験された方の中には「そう。そう。」と共感いただける方もいらっしゃると思います。
 


民法では、相続に関する処理の方法を定めていますが、逆に、その定めが実情にそぐわず争いの種となったりします。他の法律問題と違い、相続にまつわる問題は、人の感情が入り込む余地が多いので、より解決が難しいようです。