全額を盗まない泥棒?〜犯罪白書
みなさん、おはようございます。
先日、元刑事の友人に話しを聞きました。
窃盗犯、いわゆる泥棒には『癖』があるそうです。たとえば空き家しか狙わない、深夜の家人が寝ているところを狙う、窓を割る、窓は割らずにカギのかかっていない場所を探す、という具合です。
不思議なことに、窃盗犯は自分が成功したことがある手口で犯行を続けるそうです。いろいろな手口をミックスせずに、常に自分なりの手口を使うのです。この窃盗犯の癖を分析するのが窃盗犯刑事。
空き巣の現場を見れば誰の手口か分かるというのですから、彼らも窃盗犯に負けない職人集団ですね。
さて、ある町で空き巣の被害が連続しました。
手口を分析した結果、その町に住む前科5犯の窃盗犯Mが浮上。警察はMを徹底マークし、現行犯逮捕する体制を整えました。見事、勘は的中してカギがかかっていない窓から侵入したMを現行犯逮捕しました。
Mは逮捕後、これまでに空き巣をした家の全てを覚えていました。これも窃盗犯特有のことですが、100件あろうが200件あろうが、窃盗犯は警察が知らない犯行までも自供します。その時に白状しておかないと、刑が終了してから発覚すれば時効内であれば検挙されてしまうからです。
さて、Mの自供によってこれまでに警察が認知していない被害も多数発覚しました。
その家を訪ねるとまず言われるのが「え?ウチは被害に遭っていませんよ?」。
これもMの「上手い」ところです。
Mだけの特徴ではないのですが、窃盗犯には全額を盗まない手口の者がいます。たとえば財布の中に5万円入っていれば、3万円だけ盗んで2万円は残す、という手口です。
そうすれば、まず「なんで財布の中身が減っているのだろう?」と思いますが、疑われるのは家族です。奥さんの財布から盗めば「ちょっと、アンタ!お金とったでしょ?」とご主人が疑われるのは必至。
ご主人が否定すれば今度は夫婦揃って「息子だろうか?」と悩み、結局はウヤムヤに。
もし泥棒が入ったのだとしても、どうせ盗みに入るなら財布ごと全部持っていくだろうから…と考えてしまうのです。
こうして発覚をしないように、または発覚が遅れるように財布の中身を全額盗まない窃盗の手口もあることを覚えておいてください。
もし、明日の朝めざめて財布の中身が減っていれば、家族を疑う前に家の中で戸締りをしていなかった場所がないかを思い返しましょう。戸締りをしていない場所があれば、その周辺には近づかずに警察に通報を。
指紋や足跡が残っている可能性が大です。