日本一の弁護士を目指す法律系ブログ

法律や昨今の弁護士事情について勝手気ままに書き綴る弁護士を目指す男のブログだと思う。

どのロースクールに入る?

弁護士になるためには、司法試験に合格しなければなりません。しかし、司法試験は誰でも受けられるというわけではありません。司法試験の受験資格が必要です。受験資格を得るためには、ロースクールを卒業するか、予備試験に合格しなければなりません。

 

平成27年の司法試験受験者を見ると、ロースクール卒業の資格で受験した者が、8612人、予備試験合格の資格で受験した者が460人でした。ロースクールを卒業することで、司法試験の受験資格を得る人が圧倒的に多数なのです。

 

では、ロースクールはどのように選ぶべきでしょうか。ロースクールも司法試験に合格するための手段にすぎません。ですから、何よりも重視するべきなのは、司法試験の合格率の高さです。

 

そして、司法試験の特徴として、規模の大きい(学生の定員の多い)ロースクールの方が合格率が高いという傾向があります。

 

具体的に合格率を見てみると、1位一橋大(1学年の定員85人)、2位京大(160人)、3位東大(230人)、4位神戸大(定員80人)、5位慶応大(230人)となっています。80人というと小規模だと思われるかもしれません。

 

しかし、定員が1学年30人以下のロースクールは全74校中10校以上あります。80人というのは、ロースクールとしては決して小さい方ではないのです。このように、規模の大きいロースクールの方が合格率が高いのですから、司法試験の合格者は、規模の大きいロースクールに集中しています。

 

司法試験に合格するためには、いろいろな合格者の話を聞けということが言われるのですが、合格者に接する機会や合格者から得られる情報も、規模の大きなロースクールに圧倒的に集中することになります。規模の大きな合格率の高いロースクールの方が、他のロースクールに比べて、司法試験合格へのプロセスがイメージしやすいのです。

 

ロースクールには、未修者コース(3年間通学)と既修者コース(2年間通学)がありますが、できれば既修者コースに入った方が良いといわれます。未修者コースに入ってくる人でも、純粋に法律を学ぶのは初めてという人(受験界では「純粋未修」と呼ばれます)は少なく、何らかの形で法律を勉強してから未修者コースに入学してくる人が多数です(法学部を卒業して未修者コースに入る人もいます)。

 

なぜ事前の勉強が必要かというと、未修者は、入学してから1年で、司法試験の必修7科目(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法、行政法)を学び、既修者のレベルに達していなければならないからです。

 

未修者コースに入る場合ですら、入学前に法律の勉強をしておくことが必要だというのならば、頑張って既修者コースに入れるくらいまで勉強してからロースクールに入る方が、時間も学費も1年分(国立で80万円、私立で100〜140万円)かからずに済みます。ですから、できれば既修者コースに入った方が良いと言われるのです。


司法試験合格率の高いロースクールの既修者コースに首尾よく入れれば、問題ありません。では、そこに入るのはちょっと無理だという場合、司法試験合格率の低いロースクールの既修者コースと合格率の高いロースクールの未修者コースだったら、どちらを選ぶべきでしょうか。

 

あくまでも筆者の個人的な意見ですが、合格率の高いロースクールの未修者コースを選びます。ロースクールも開校して今年で12年目になります。合格率が上がらないロースクールには、何らかの問題があることが多いのではないでしょうか。司法試験に関係のない無駄な課題が多い、ロースクールの進級の基準が厳しいために司法試験の準備ができない、授業のカリキュラムに偏りがあるなどの問題です。

 

勿論、未修者コースに通うとなると、1年間の時間と学費がかかります。ですから、時間とお金が許すのであればという限定つきでの話ということになります。